『折衷主義について』
相談者のためにカウンセラーがどの学派に立っても良いと考えています。
つまり、カウンセラーが
どの学派に立つかはそれほど重要な問題ではない
ということです。
折衷主義とは相談者の問題に応じて、
最も適した方法をとる立場
のことです。
言い換えると、既存の各理論から活用できるものは何でも使うという立場です。
相談者に何をしてあげたらよいかを考えずに、自分の理論で何ができるかを考えることは 相談者中心ではなく、カウンセラー中心,理論中心といえます。
それは、パンを求める人に石を与えるようなものです。
例えば、相談者が心理テストを求めているのに『私の理論は心理テストを用いない立場です』と答えることは、 相談者への誠意が足りないと考えられます。
倫理的に、相談者が求めることには応えることが大切です。
また、日本には赤面恐怖が多いが欧米には少ない。
日本には広場恐怖は少ないが欧米には多い。
これと同じように、日本の中でも文化の変化につれて、心的悩みの内容,機制も変わっていきます。
よって、ある時代ある文化で通用したかもしれない理論を、全く異なる時代,文化に当てはめようと することには無理があります。
そこで、
多種多様な理論に広く触れながら、自分に最も適した理論を 選ばなければなりません。
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