『社会復帰のタイミング』
1.職場復帰までに体力を回復させる
回復しはじめたからと、すぐに社会復帰するのはまだ時期相応ではないと考えられます。
本人、家族にとっても、待ちに待った社会復帰ですけれども、あせらないことが大切です。
回復期の段階では、
どん底のときの気分の状態を10割とすると、8割の回復にしかすぎない
と考えたほうがよいでしょう。
しかし、8割の力が出てくると「病気の前に戻ったみたい」と感じる日が出てきますから、 すっかり回復したように思いがちですが、
残り2割の予備力はまだ補充されてはいません。
仕事をしていた人の場合であると、この状態ですぐに職場復帰すると、まず
会社に行くだけでも疲れ、 結局休んでしまうことになる可能性も高い
です。
それが自信喪失に繋がり、うつの状態が動揺するきっかけになることもあります。
うつになりやすい方は、仕事熱心で真面目な人が多いですから、少しよくなると「早く仕事に戻らないと」と 気持ちがあせることもあります。
しかしそこは、家族からよく説得してあげてください。
自分たちで判断してしまわず、「それじゃ先生に相談してみたら」と、主治医に意思表示をしてみては どうでしょうか。
この時期にやらなければならないことは、
復職に向けた体力作り
です。
長い間、家の中で過ごしていたわけですから、本人が思っている以上に、 身体の筋力は弱っていると思います。
弱った筋力のままでは、少し歩いたりしただけでも疲れてしまうでしょう。
家族は「一緒にやろう」と声をかけて、ウォーキングやストレッチなどを行うと良いと思います。
途中でくじけても、またやり直せばいいわけですから。
続けられなくても気にしなくていいですよ。
また、買い物などの外出,散歩,電車やバスに乗ってみるのも良いと思います。
少しずつ社会に慣れ、
社会に出る緊張感を思い出してもらうことは、復帰に向けたリハビリ
になります。
こうした準備を続けながら、最終的に主治医との合意の元に復職すると、スムーズに仕事に入っていけると思います。
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