−カウンセリングルーム 心の相談室 『Sweet-Room』−
(日本カウンセラー協会認定 カウンセラー)
「心とはどこにあるのでしょう」
ひとくちに心といいますが、では心とは一体どこにあるのでしょうか?
歴史をさかのぼってみると、紀元前の古代エジプトでは、心と体は全く別物で人間は
死んでも心は死なずに、ただ肉体から離れていくだけと考える心身二元論が信じられ
ていました。
ミイラはまさに、一度死んだ肉体に心がもう一度戻れるよう肉体をできるだけ美し
く保存しておこうという心身二元論を具現化したものだといえます。
その後、紀元前400年頃の古代ギリシアでは、心と体は分けるべきものなのか同じだ
と考えるべきものなのかが学問としてさかんに議論され、その結果、心は体とつながっ
ているという心身一元論という考えが出てきました。
それによると心とは心臓にあるもので、体の一部として働き、目で見たり耳で聞いたり
したことは、心臓の中に入り込んで蓄積されていくというものです。
日本ではどうかというと、心身二元論が古くから信じられていたようで、平安時代に
は心と体を離れて自由に飛び回れるもので、愛する人の夢の中に出現したりすることも
できると思われていました。
その後も心はどんな働きをしてどこにあるのかということが、世界中で議論されてき
ましたが、科学的に研究が進んで心理学という一つの学問として成立したのは19世紀末
のヨーロッパからでした。
現在では、精神医学も発達し、心の働きは脳がつかさどっていることが分かっています。
つまり、現代科学が決めた心のありかは、脳なのです。
−心のありかは脳−
ではその脳とはどんな働きをするのでしょうか。
私たちが外から受けた刺激はいったん脳へと集まり、そこで脳が様々な判断をして、そ
れに対応する行動をとるように命令を出します。
例えば、−洋服屋さんの店頭に並んでいるバーゲン品が目に入る⇒その情報が脳へと
伝わり「これはステキな服だ」と思う⇒ついでに値段も見る⇒「正価より安い」と判断
する⇒財布からお金を出して買う−などという認知や理解、あるいは行動は、全て脳が
つかさどっています。
実は、これと同じように『心のはたらき』も脳が指令を出しているのです。
「素敵な異性に親切にされた。同じようなことがたび重なった。その人のことがいつも
いつも気になるようになった。考えるだけで胸がドキドキするようになってきた。
電話をかけて話をした。気がついたらその人に恋をしていた」というような感情も、外
から入ってきた情報を脳が判断し、指令を出しています。
つまり、好きになったり嫌いになったり、悲しかったり嬉しかったり、希望を抱いた
り絶望したりなどという、感情や思考や知性なども、買い物をしたり車の運転をしたり
ということと同様に、脳がつかさどっています。
脳は、外から入ってきた情報を整理して判断をくだし、体に指令を出して、感情や知
性や思考などの心の動きも決定します。
それだけでなく、眠っている間も心臓や肺を動かしたり体温を一定に保ったりなど、自
分の意志とは無関係にはたらく臓器の作用をも支配しています。
つまり、体の働き全てを脳がつかさどっているのです。
しかし、同じ脳が発する指令でも、体に対するものと心に対するものとでは大きく性
格が異なります。
体の動きのほうは比較的単純です。
例えば、信号が赤になったときの体の反応はどんな人でもどんなケースでもほぼ同じです。
しかし、心の動きのほうは、体に比べるとかなり複雑です。
情報量も極めて多いうえに、判断基準も様々であるため、対処法は人によって全て異な
ります。