『うつ病の理解とは』



 うつ病の辛さは、かかった本人にしか分からないものです。
その苦しみは、家族や周囲の人たちにはなかなか伝わりにくいものでもあります。
 伝えられた場合であっても、本人も患者を取り巻く家族も、うつ病にかかったという
現実をなかなか認めずに「我が家からうつ病患者が出るなんてとんでもない」と、
頭から否定するケースすらあります。

 うつ病を治すためには、まずは本人も周囲の人たちもうつ病をきちんと認めたうえで、
正しく理解することが大切です。
そのうえで、特に家族や周囲の人は、患者といっしょにじっくりと治療に取り組むよう
に心がけてください。

 子供に「いい子」を求めてきた親は、子供の人生に干渉しすぎていた部分があります。
子供は、本来自分なりの夢を描いて大人になっていくものです。
しかし、親に理想を押し付けられると、本当の自分と親が求める「いい子」の板ばさみ
になり、ストレスを過剰にため込んでしまいます。
親は、子供に「いい子」を求めてきた自分を改めるべきだと私は思います。
子供の人生は子供のものだと認め、一歩引いた位置から子供を見守ることができるよう
にして欲しいです。

  また、うつ病を発症し、一日中ゴロゴロしている子供に「がんばりなさい!」と声を
かける親がよくいますが、がんばり過ぎてストレスがたまった結果うつ病になってしま
った
のですから、絶対に言ってはいけない言葉です。
 「がんばれ!」と言っているうちは、親に子供を見守る姿勢ができていないと考えて
間違いないです。

 あたりまえですが、うつ病は目に見えません。
よって、他人には、非常に理解されにくい病気なのです。
 うつ病は「心の風邪」,「心の病気」だとよく言われています。
つまり、例えていうなら足を骨折したのと同じ怪我のようなものだとも言い換えること
ができます。
 目に見えないので、余計にうつ病への理解が重要となってきます。
患者さんの周囲の方々は、目に見えないからといって『気の持ちようで治る』と思う方
も少なくありません。
 しかし、うつ病とは、精神異常でも何でもなく、臓器の疾患です。
私はこれについて理解して頂きたいので、うつ病について説明します。

  うつ病とは、脳内伝達物質ホルモン異常であり、決して性格的なものではありません。
脳内ホルモンであるセロトニンやノルアドレナリンがうつ病に大きく関わっていること
までは分かっていますが、どういう過程で発病し、どういう過程でマイナス感情を引き
起こす物質が分泌されやすくなるのかというのは、よく分かっていないようです。

 憂鬱で何もする気が起きない方に対し、周囲の人達は「怠け者」「根性が足りない」
「やる気がない」と辛い勘違いを受けやすいですが、うつ病はあくまでも脳という臓器
の疾患
なのです。
臓器の疾患である以上、その人の努力や気力でどうにかなる問題ではありません。
 そして、気の持ちようで(多少は、気の持ちようも関連してくるとは思っていますが)、
どうにかなるものではないことも分かって欲しいと思います。
骨折が気の持ちようで治りますか、同じ臓器のひとつである胃ガンが、 やる気だけで治
りますか、それと同じことです。

  脳では、楽しかったり笑ったりすると脳内麻薬が分泌されます。
その逆でストレスを感じたり辛いときって、脳内では体に良くないマイナスの化学物質
が分泌されているのです。
 要するに脳に脳内麻薬が分泌されている人は楽しく感じ、マイナスの化学物質が分泌
されている人は悲しく感じるのです。

 そして、ストレス状態が続くと、そのマイナスの化学物質は分泌されっぱなしになっ
てしまいます。
そうすると、そのマイナスの化学物質が過度に分泌されると、次第に脳の組織を破壊す
ようになっていまいます。

 そして脳の組織がうまく働かなくなり、最終的にはちょっとしたことや、たとえ何も
理由がなくても深く落ち込む状態になってしまいます。
 脳の組織がうまく働かなくなることにより、そのマイナスの化学物質が過度に分泌さ
れた状態になったり、ちょっとしたことでそのマイナスの化学物質が出やすくなってし
まいます。
 つまり、うつ病(ストレス性精神病)の正体とは、前述したように脳という臓器の疾
患といえます。



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