『カウンセリングの定義』



 カウンセリングの定義とは曖昧なものですが、定義について考えてみましょう。

 カウンセリングの理論は、ハーパー(Robert A.Harper)によると、約40前後存在する
といわれています。
これに、森田療法,内観療法,箱庭療法,交流分析など注目され出した理論を加えると、
カウンセリングの理論は、40以上存在するといってよいでしょう。
 例えば、しばらく文献研究から遠ざかっている間に、見知らぬ療法が登場していると
いう状況です。

 このように、カウンセリングの世界は常に進歩している世界といえるでしょう。
よって、解釈の仕方も多種多様にならざるを得ません。
つまり、理解が多様化するということになります。
 なぜならば、充分な資料がないため、ある程度推論して考えるしかないからです。

 歴史も長く変化もスローな分野では、蓄積された資料は豊富です。
それに基づいて理論を作るので、カウンセリングのように約40程しか理論が出てこない
と考えられます。
 カウンセリングの実践家としては、推論でもよいからある程度自信のもてる自分なり
の理論を持たなければ、クライエントに対して一貫性のある反応が示せないでしょう。

 一貫性のある言動をとるためには、まず、自分なりにカウンセリングとは何かという
イメージを定めておかなければなりません。
つまり、カウンセリングの定義を自分なりにつくらなければならないということです。

 定義は、人それぞれで構わないと思います。
重要なことは、言動の一貫性の基本になれば良いということです。
定義が定まっていなければ、言うこととやることがちぐはぐになってしまいます。
 さらに、定義とは、正誤を論じる対象とはなりません。
事実の世界には正誤がありますが、定義はあくまでも概念の世界なので どうしても
人それぞれになってしまいます。実証の世界ではないからです。
 例えば、「馬とは何ですか。馬とはどんなものですか」 という問いがあったとします。
「走るもの」と答える人もいれば 「脚が4つあってヒヒンと鳴くもの」と答える人もいます。どちらも間違ってはいません。
 つまり、人それぞれ恐れずに自分のカウンセリングの定義を宣言すればよいのです。

 『カウンセリングとは、言語的および非言語的コミュニケーションを通して、相手の行動
  の変容を援助する人間関係である

  この定義は、現存のカウンセリング理論のほとんどに当てはまると思っています。

 カウンセリングはレクリエーションとは異なり、楽しかった,気が晴れた,落ち着いた、というだけでは 不十分です。
その結果として、具体的な行動変容が起こらなければなりません。
 つまり、反応の仕方が多様性を帯びるということになります。

 理論によってカウンセリング方法は異なりますが、『言語的および非言語的コミュニケーション を通して』とまとめることができます。
 つまりカウンセリングとは、言語のやり取りやボディ・ランゲージのやり取りで行動の変容を 引き起こさせようとしているものです。

 例えば、言語的コミュニケーションを主にするものもあれば、精神分析のように癖などのような非言語的表現を 解釈の素材にすることもあります。
これは、理論によって、言語,非言語の重点の置き方は違いますが、言語と日言語の2つが 必要なことに今日では異論を唱える人はいないと思われます。


 カウンセリングは人間関係であると定義するとき、次の特性を持っていると思われます。

   1.一方的でなく相互交流的である。

   2.信頼感がある。

   3.カウンセラーは、役割上言うべきことをいわなければならない。

   4.クライエントにはカウンセラーへの甘えや依存性がある。


 カウンセリングを人間関係としてとらえるということは、親子関係を純化したかたちで 体験するのがカウンセリングであると考えられます。

 よって、どんなカウンセリングも学派を問わず、親子関係に似た人間関係であるといえるのではないでしょうか。



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